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刀剣ブログ

宇甘派、雲生を鑑賞しました。

2021-11-29
カテゴリ:刀剣鑑賞記録
重要美術品 雲生 二字銘
鎌倉後期の宇甘派、雲生、雲次は備前物の中でも京物の山城伝を思わせる出来のものが多いと言われています。
今回鑑賞させていただいた雲生は重要美術品に指定されており、摺り上げておりますが中心の中央やや下棟寄りに雲生の二字銘があり、鎌倉期の優美な太刀姿、地鉄は墨肌のような黒い地鉄交じり、刃紋は直刃で匂い出来となり、匂口締り、明るく冴えます。移りは指で押したような独特な映りとなり。さすが重美の雲生の太刀です。
宇甘派は山城伝が強い備前物と言われますが、本作を見ると備中の青江を思い出します。刃紋の匂口、地鉄、映りの様子はものすごく青江と共通点があります。しかし時代を考えると、この青江の出来は鎌倉最末期から南北朝時代の青江の出来であり、むしろ雲生のほうが時代が古くなります。古青江が鎌倉末期になるにつれて沸出来から、匂出来の青江へと変化していきますが、それに強い影響を与えたのが雲生なのではないかとこの刀を見ていると考えてしまいます。
宇甘では地鉄が取れなくなり、備前ではなく備中の青江にもしかしたらお世話になったんではなかろうか?それで青江の刀が匂い出来に変化していったのか?そんな想像がこの刀を見ていると感じることができます。これらは想像ですが、青江に宇甘の刀が影響を与えたのは間違いないないと感じます。
雲生は雲次に比べると大人しい出来が多いと言われますが、その分、品は格段に雲生が上であると感じることができる重美の雲生の太刀でした。



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