品番 E350220
題目 月下芋洗い図鐔
Title Gekka Imoarai zu Tsuba
銘 伯応(花押)時年七十四 応需(後藤一乗)
歌 芋洗ふ う知や い川し可 月能さえ 丸三翁
(芋洗う うちや いつしか 月の冴え 丸三翁)
意味 芋を洗ってるうちに、いつの間にか月が冴えていることよ。
Sign Hakuo(kao) Yukutoshi74 Motomeni oujite(Ichigyo)
価格 1,100,000円
price 1,100,000jpy
鑑定 財)日本美術刀剣保存協会 特別保存刀装具
Certif [N.B.T.H.K.] Tokubetsu Hozon Tousougu
寸法 竪 85,5mm 横 78,5mm 切羽台厚さ 3,2mm
Size Length 85,5mm Width 78,5mm Thickness 3,2mm
時代 江戸末期
Period Last of Edo
系統 後藤一乗
school Goto Ichigyo
解説
後藤一乗は夏雄、清寿と並び、幕末を代表する名金工師である。
寛政三年に生まれ、十五歳で八郎右衛門家の六代目当主となり、初め光貨と名乗る。文化八年に光行と改め、文政初めごろに光代となる。その後文政七年十二年に法橋し一乗となった。晩年になると後藤家では禁じられていた鉄地の作品も残すようになり伯応や凹凸山人と号す。
衰退した幕末の後藤家の中にあって非凡の努力を重ね、幕末を代表する名工と上り詰め、またその門からは船田一琴、橋本一至、中川一匠、荒木東明、和田一真、今井永武などたくさんの優秀な金工師を輩出し明治金工を代表する一乗派を築いた。
本作は晩年74歳の鉄地を使った伯応銘の作品で、裏の和歌は丸三翁(横山丸三)の歌を写してある。横山丸三は後期の江戸武士で名を興孝、号を丸三、春亀斎・木黄人・淘山人・木黄山人・百田楼などと名乗り、文政5年小普請組組頭となる。天源術(運勢判断)をまなび、改良をわえて天保5年淘宮術を創始した。
丸三翁の歌は芋を洗っているうちに、いつの間にか気づいたら月がとても綺麗に冴えていた様子を歌った歌で、一生懸命洗っていたら時間を忘れてしまい、月が綺麗に見える時刻になってしまっていたのだろう。
一乗は片切彫と金平象嵌で月を見ながら腰を下ろした人物の描いている。月を金平象嵌にしているところや片切彫の人物の表情がなんとも粋で一乗の美的センスと歌に画をつける教養の高さが見てとれる。
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